南三陸ホテル観洋

久々に、宮城県の南三陸ホテル観洋にお邪魔して、シャンデリアクリーニングを行ってきました。出発は5月19日日曜日、新宿の事務所を割と朝早い時間に出発進行!

日曜日の朝ということで、少し渋滞を気にしていたのですが、常磐道は順調順調。

途中休憩をして、

景色を楽しんだり、おやつを食べたり。

安全運転で向かって、南三陸ホテル観洋に到着したのが、

お昼過ぎくらいでした。

ロビーを入ると、どーん!この景色です。

眼下に広がるこの海。まさにホテル「観洋」。そりゃ写真も撮りたくなりますよ。

しかし、普段は波静かなこの海も、東日本大震災の時は津波となって押し寄せ、南三陸町では数多くの犠牲者が出たのは皆さんもご存知の通り。

海に面した崖の上に建つこのホテルは駐車場から入ったロビーフロア(上の写真の地面部分)が5階となっていて。そこから海面に向かってフロアがある中、3階まで津波により浸水したそうです。

当時の様子はそのままホテルのブログに残されており、また、現在はロビーでの震災関連の展示や、ホテルスタッフが町をバスで案内する『語り部バス』の運行など、ホテルでは震災を風化させない為の活動を数多く行なっています。

仕事の前にまずは腹ごしらえ。地元水産関連会社の運営するホテルだから、アサリがたっぷり入った磯ラーメンや、シーフードたっぷりのスパゲティやカレーなど、海の幸を使ったメニューが盛りだくさん。

中でもびっくりだったのが、これ。このオレンジ色、何だかわかりますか?これ「ほや」です。この時期が旬のほやのお蕎麦。この辺りでも出しているところは少ないんじゃないでしょうか。新鮮だから臭みもそれほどなく、蕎麦の香りを邪魔せずにそれでもしっかりと海を感じられるお蕎麦でした。ほや好きの方にはおすすめです。しかし贅沢な食べ方ではありますね。

さて、腹ごしらえが終わったら、肝心のシャンデリアクリーニングです。

今回クリーニングするのは、ロビー前のラウンジスペースのシャンデリアと、それに続くカフェスペースのシャンデリア。

ホテル利用の方のご迷惑にならないように、人の多い時間帯はできるだけ避けて作業を行うため、事前にしっかりと段取りを組みます。

カフェスペースのシャンデリアをチェック。

ムムム。少し大変。電気系統の兼ね合いで大型シャンデリアの必需品、噴霧器が使用できないことがわかりました。こういう時はどうするのでしょう。

そうです。全て手作業で、濡らすのはガラスのパーツと金属の装飾のみで洗います。

まずは毛ばたきでホコリを落とし。専用の洗剤をハンドスプレーで噴霧、洗浄後は水スプレーで汚れと洗剤を洗い流して電気系統に水が流れてゆく前にしっかりと拭き取っていきます。

そうして洗いあがったパーツが、こんな感じです。

洗う前こんな感じだったパーツが、

ここまでクリアに輝くのです。

ひとまず一基あたり洗浄する所要時間を確認して、全体を洗浄する時間を割り出します。そうこうするうちに、チェックインのお客様も増え、ロビーが賑わってきます。そこで出した結論は、翌朝5時の作業スタート。チェックアウトのお客様がフロントに集まるまでの時間にロビーのシャンデリアの洗浄を済ませ、続いてカフェのシャンデリアを洗浄ということになりました。

初日の作業を終えて、部屋に入るとなんと窓の外では、ウミネコたちがお出迎え。どうやら、お出迎えというよりオヤツのおねだりのようですが。。。

ちょうどこの日は満月ということで、宿泊者を対象に屋上で星空観察会が行われるとのこと。
海が見えるお風呂や、たくさんの海の幸を楽しんでいたらあっという間に時間が過ぎてしまい、観察会には参加できなかったのですが、食事を終えて部屋に戻ってみると、窓の外には静かな海に映る、この満月。

思わず缶ビールを持って屋上に上がってしばし月見酒を楽しみました。明るい月夜でも目が慣れてくるとたくさんの星も見え出し、東京とは違う空気の綺麗さを感じます。明日の朝、作業開始は5時。早起きをしなければならないので、あまり遅くならないうちに就寝しました。果たして寝坊をせずに起きられるかと思っていましたが、そんな心配はご無用。

じゃん。

この朝日。

3階の大浴場には、翌日の日の出の時刻のお知らせが置いてあるのですが、ホテル観洋では、この朝日を眺めながらお風呂を楽しめるのです。

この日の日の出は4:19。仕事前に頭をしゃっきりさせるために、お風呂に行くと、すでに大勢の人がいます。みなさんリピーターのようで、

「これを楽しみに毎年来るんだよ」なんて方もいらっしゃいました。

ゆっくりとお風呂に入りたい気持ちを我慢して、身支度を整えてロビーに向かうと、

気持ちの良い朝日のもとで、早速作業の準備です。

朝食を終えて8時ごろにはご出発の方もいるとのことで、確実に、テキパキと作業を進めなければいけません。

毛ばたきで丁寧にホコリを落とし、噴霧器で洗浄。シャンデリアクリーニングで重要なのは実はチームワーク。

上で作業するスタッフと下でそれをサポートするスタッフ。息を揃えてどんどんと作業が進んでいきます。

普段のお掃除ではなかなか手が届かない場所ですから、私たちも、丁寧に掃除します。

ロビー前の洗浄が終わると、ホテルスタッフの方も写真をパチリ。とっても綺麗になったと喜んでくださいました。

残りはあと2基。

段取りは昨日確認しているので、テキパキとクリーニングは終了。途中、コーヒーを飲みに来ていた宿泊のお客様にはご迷惑かと思いましたが、シャンデリアクリーニングがなかなか見たことがない風景だったようで、興味深く作業を見ていた方もいらっしゃいました。

ところで、このシャンデリアの設置してある天井、何かお気づきいただけますでしょうか?

そうです。シャンデリアの設置してあるところだけが反射する素材になっているのです。夜の間はそこにシャンデリアの光が反射するのですが、

昼間、外が明るいとこの天井に海が映り込みます。大きく開けた窓と相まってとても明るく素敵なロビーラウンジで、朝食後のコーヒーをわざわざここのカフェスペースで楽しむ方が大勢いるのも納得の、素敵な空間でした。

そんなロビーの眼下の磯場には、ウミネコのカップルが。よーく見ると、巣には卵もあります。外部から人の出入りができない険しい場所だからなのか、安心して子育てをしているようでした。

予定通り作業を終えられて、一安心。道具を片付けて帰京の準備です。

少しだけ時間の余裕があったので、復興の進みつつある志津川の街を通って、無事、東京に帰りました。


今回のクリーニング、ホテル観洋のスタッフブログでもご紹介いただいています。